実測データ紹介 補間前加減速の効果      
  円弧縮小なし/象限突起の改善
実機での代表的な計測事例をご紹介します。10nm単位で制御する精密多軸マシンです。
通常の円弧補間の半径縮小は、高い位置ループゲインと補間前加減速で改善します。
さらに高精度な円弧では、象限突起も課題となりますが、リニアモータによってクリアーできます。
真円精度の計測は、テクノのモーションコントローラに内蔵するTPCロギングと解析ソフトにより、
非常に簡単です。動作や制御の条件を変えながら、短時間でいろいろなテストが可能です

■通常の円弧  ■計測例1 通常円弧:縮小大
 動作条件
   位置単位 1p=10nm  
   円弧半径 R=10000000(100mm)
   速度     F=5×10pps(500mm /秒)
 制御条件
   直線型補間加減速時定数=50msec
   位置ループゲイン =160r/s
 結果
   円弧縮小 50000p(0.5mm)
   円弧縮小が大きく、それ以上の評価が困難
   精度判定スケール:70000p(700μm)

 通常の加減速は補間後の処理であるために、
 円弧の縮小が発生します。

位置決め/サーボコントローラの円弧縮小
補間前加減速による円弧  計測例2 補間前加減速:縮小無し
 動作条件
   位置単位 1p=10nm
   円弧半径 R=10000000(100mm)
   速度  F=5×10pps(500mm /秒)
 制御条件
   直線型補間加減速時定数=0msec
   位置ループゲイン   =160r/s
   補間前加減速    =50msec
 結果
   円弧縮小 ほぼ無し(良好)
   円弧精度  誤差1μm以下の高精度
   象限突起 400p(4μm)
   精度判定スケール:500p(5μm)

 補間前加減速により、円弧縮小はなくなりました。
 計測例1と2では、評価スケールが140倍に改善

 していることにご注意下さい。
NC制御/ロボット制御の高精度な円弧(象限突起あり)
■補間前加減速で縮小なし
 計測例2では、補間前加減速によって、円弧の縮小がほとんどなくなっています。
 そのため、理想円弧との真円度の評価をスケール500p(5μm)でおこなっています。
 グラフの中央が理想円、内側と外側に±500pの縮小と拡大の円を想定して、
 スケールとしています。
 補間前加減速の効果は、十分に確認できました。

 補間前加減速の詳細は、PLMC−MUEXマニュアル 機能編 5−19 TB00-0900E
 を参照下さい。

 ※ 位置ループゲインが比較的高い値であることも重要なポイントです。
   今回のマシンでは、ゲインは高くとれても、加減速がないとショックや
   オーバシュートが発生してしまう問題がありました。

■象限突起:リニアモータによる改善
 計測例2では、1μm以下の誤差で高精度な円弧が実現しています。
 ただし、Y軸の方向変換時に象限突起状の誤差が確認できます。
 誤差を拡大してますので、突起状に見えますが、実際は4μm程度の誤差です。
 この円弧は、図の下からスタートして、反時計回りで1周しています。
 実は、X軸はリニアモータで、Y軸は回転型モータとボールネジです。

 ◆X軸:リニアモータ →象限突起無し
 ◆Y軸:回転型モータ/ボールネジ →象限突起4μm

 「回転型+ボールネジ」と「リニアモータ」では、このような顕著な差があります。
 リニアモータによるメリットは、このような所にもあります。

■象限突起誤差のメカニズム
 象限突起のメカニズムは、機構やサーボのトルク/速度ループ制御に深く・複雑に
 関係しています。モーションコントローラによる補償や制御は、現状では困難です。
 サーボアンプでの改善が期待されます。
 理論的な解析などは、精密工学会を中心にいろいろな方々がされてます。
■TPCロギングによる解析のメリット
 上記の事例からもわかるように、nmに近いレベルの解析までTPCロギングは有効です。
 オープンMCで制御しているシステムでは、特別な準備なしに、このような解析が可能です。
 実機で現場レベルの計測が簡単に行えるのがメリットです。
 TPCロギングと解析ソフトでは、真円度/直線精度/軌跡の拡大表示/各軸の速度など、
 同じデータから多面的に解析できます。そのため、制御系/サーボ系/機構などの
 特性評価を状況や目的に応じて、リアルタイムに実行できます。

 TPC−EXCEL軌跡解析の紹介
 (オープンMCユーザは、無償でダウンロード可能です。)


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