円弧の縮小/軌跡の内回りとサーボ系      
  円弧精度と位置ループゲイン
レーザ加工、高精度搬送、塗布、カッティング、精密実装などでは、高精度な輪郭制御が
必要です。ところが、高速でコーナを回ると、サーボ系の遅れによる内周りや円弧の縮小が
生じ、軌跡誤差となります。
内回りや円弧縮小の度合いを推定する近似式をご紹介します。また、テクノのTPCロギング
による円弧縮小の実測で、理論値との比較も簡単です。
改善のための対策案もあり、各々の実機に応じて、定量解析をしながら、最適な調整が
可能です。

■円弧の縮小  TPC解析(円弧縮小
 位置ループゲインが低いと円弧の
 縮小(内回り)が大きくなります

 約20μmの縮小の事例です。

位置決め/サーボコントローラの円弧縮小    
■円弧のひずみ TPC解析(ゲイン違い
 お互いの軸の「位置ループゲイン」が違うと
 45度に傾いた誤差が生じます
 
位置決め/サーボコントローラのサーボゲインアンバランス    
■円弧縮小の関係式 ■円弧縮小とゲイン・半径・速度
 Kp:100r/sの半径縮小(μm)
速度mm/s 10 50 100
R= 1mm 5 125 500?
R= 5mm 1 25 100
R=10mm 0.5 13 50
NC制御/ロボット制御の多軸補間の円弧縮小の近似式
 Kp:50r/sの半径縮小(μm)
速度mm/s 10 50 100
R= 1mm 20 500? X
R= 5mm 4 100 400
R=10mm 2 50 200
 
 半径の縮小の近似式
 ΔR= 0.5×F/(Kp×R)
 F:送り速度 Kp:位置ループゲインr/s 
 R:半径
 参考 メカトロニクスのためのサーボ技術
     入門  日刊工業新聞社

 25ページの(61)式をもとに近似計算式
 を算出

■真円精度の向上(内回りのない軌跡) ■コーナ軌跡の改善
 ◆位置ループゲインは同じ値
          →バランスが最重要 
 ◆補間加減速の時定数を小さく
          →むしろゼロが望ましい
 ◆位置ループゲインを上げる
            →応答性を上げる
 ◆形状補正機能 →サーボ遅れを補償
 ◆補間前加減速 →送り速度を自動調整
 ◆送り速度を下げる →現実的
               (タクト低減)
 ※サーボアンプのフィードフォワード制御
   も期待できます。

NC制御/ロボット制御の軌跡改善
■位置ループゲイン(サーボ系の応答)を高める
 内回りを小さくするには、機構の剛性を高めて、サーボの速度ループゲインや
 位置ループゲインを高める事が重要です。

 機構の剛性の向上   ◆バックラッシュなどの不感帯なし
               ◆機構のたわみやバネ要素を小さく
               ◆慣性や重量を小さく
               ◆摩擦などの外乱も小さく

■速度ループゲインと位置ループゲインの関係
 一般には速度ループが位置ループの6倍〜8倍程度の応答性が良いです。
 例 速度Kv:200hz(1250R/S)→位置Kp:150〜200R/S
 ただし、フルクローズ制御では、Kpが上がらない傾向があります。
 
■位置ループゲインのバランス(一致)が最重要
 多軸軌跡制御では、お互いの位置ループゲインが一致していることが前提です。
 各軸の位置ループゲインが異なると、非常に大きな軌跡誤差が生じます。
 また、位置ループゲインを限界以上にすると、発振などの異常動作となるため、
 各軸の位置ループゲインの最小値に合わせる事になります。つまり補間動作させ
 る全ての軸で、機構剛性を高め、十分に位置ループゲインを上げられることが重要です。

■補間加減速も影響
 補間加減速の時定数も位置ループの遅れと同様な影響があります。
   ゲイン(r/s)=1/時定数(s)  例:時定数20msec→Kp:50r/s相当の遅れ
 軌跡精度を優先させる場合は、以下の順番で検討し、加減速の時定数も最小にして
 ください。
 @補間時定数=0msec A直線型補間加減速 A指数型補間加減速
 同じ時定数でも、直線型の場合、指数型加減速に比べて、軌跡の内周りへの影響が
 小さいです。

■補間前加減速(自動コーナオーバライド)による改善
 補間の連続での速度変化(加速度)の度合いに応じて、自動的に最適な減速/加速をします。
 速度変化が小さいコーナでは、減速しません。
 詳細は、PLMC−MUEXマニュアル 機能編 5−19 TB00-0900E を参照下さい。
 SLMやPLMC40では、カスタム対応です。
 
■形状補正機能による改善
 サーボ系の遅れを補償した指令をします。フォードフォワード制御に似た機能です。
 SLMやPLMC40では、オプション機能です。
 SLM4000 ユーザーズマニュアル 機能編 4−18−4 TB00-0800E
 PLMC40 ユーザーズマニュアル 機能編 5−18−4 TB00-0810E
 PLMC−MUEXでは、カスタム対応です。

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